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LSM招聘レポート2015/12/1

2016.03.30

Tags : LSM

【歴代LSM海外研修プログラム参加者たちの交流会】

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【はじめに】

 2015年の夏、僕は東京工業大学の海外研修プログラム(2015 Tokyo Tech Overseas Programme)に参加した。ロンドンのサイエンス・ミュージアム(LSM : London Science Museum)へ赴き、インターンとして短期研修に臨むというこのプログラムは、始動からかれこれ10年にもなるそうだ。それを記念して、今度はLSMの方から日本の東京へ人を招待し、イベントを開催することとなった。初日は歴代の研修プログラム参加者も呼び、交流会を行った。その様子について報告する。
 

【全体の流れ】

 2015年12月1日の交流会当日は、LSMからスーザン・モスマン(Dr. Sue Mossman)さんと、ジン・ナーワル(Jin Nirwal)さんが来訪した。また、2011年・2013年〜2015年のLSM海外研修プログラム参加者のうちで都合のつく人達が集まった。

 はじめに、2011年のLSM海外研修プログラム参加者の陳燕さんから、交流会の開催意図の説明と、過去のLSM海外研修プログラムについての振り返りがあった。

 次に、ジンさんがアイスブレイクとしてちょっとしたワークショップを行った。三つの班に分かれ、各班にそれぞれひとつずつ、一見用途の不明な『道具』が配布される。各班の班員たちは、割り当てられた『道具』の用途を、議論しながら推測する。各班ごとに指名された一名ずつの『説明者』は、班員たちの質問に答え推測の正否を判断するが、用途についての直接の説明は行わない。見たことのない形の『道具』を前にして、参加者たちは意欲的に議論を行い、会場は活気づいた。

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 それから班員を一度相互に入れ替え、過去の海外研修プログラムについてお互いに意見の交換を行った。与えられたテーマは次の3つ。「LSM海外研修プログラム直後の自分と現在を比較して、どう違いがあるか」、「LSM海外研修プログラムの中で印象に残っていること」、「もしも次にLSM海外研修プログラムに参加する機会があったら、どんなことをしたいか」。各班とも活発に意見交換が行われた。

 最後に、各班ごとに出た意見をまとめて発表し、交流会は盛況のまま終了した。

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【個人の感想】

 僕が海外研修プログラムに参加した際、LSMにてインターンの案内をしてくれたのはジンさんだった。たった3ヶ月ぶりとはいえ、再会の懐かしさと、日本でも変わらない彼女のバイタリティを感じた。ジンさんが交流会で行ったワークショップは、非常にシンプルでありながら、「直感的にわからない物事」を前にしたときの人の反応や、「真の意味」を伝える・理解することの難しさが体感できるものだった。意思疎通を成功するためには、お互いに質問を促したり、例え話や身振り手振りを交えたりと、様々な工夫をしなくてはならない。それらは実地的なサイエンスコミュニケーションであり、彼女たちが日々LSMで行っていることなのだろう。

 過去のLSM海外研修プログラム参加者たちとはほぼ初対面だったが、特に距離を感じることなく会話することができた。仲が良くなりすぎたのか、意見交換の際には、テーマを掘り下げるというよりお互いの思い出よもやま話になってしまった。とはいえ、海外研修プログラムの年度や内容も異なったため、多面的に経験を振り返ることができ、意味のある交流だったことは間違いない。

 総じて、交流会を行ったことにより、LSMへの海外研修プログラムに参加した経験がより根強く自身の中に印象付けられたように思う。余談だが、先日近所の百貨店で、まさにレクリエーションの際に使われた『道具』と同じ物を見つけた。ゴムのベルトを巻くことによって、この原理で蓋や蛇口などをひねりやすくする物だった。日頃の観察力の低さを恥じるとともに、実は身近なところにあるという点についても、サイエンスコミュニケーションに通じているのかもしれない。海外研修プログラムで得た経験や出会いは、今後も至る所で活かしていけると感じた。

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(文・林 慧太)

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