COIサイエンスカフェレポート
2016.03.31
【開催概要】
テーマ:第1回COIサイエンスカフェ
『以心電心』コミュニケーション・カフェwith Creative Flow
日時:2016年1月21日(木)18:15〜20:30
場所:東工大蔵前会館3F 手島精一記念会議室
参加者:43名(女性15名、男性28名)
第1回COIサイエンスカフェ、『以心電心』コミュニケーション・カフェ with Creative Flowが1月21日に東工大蔵前会館に於いて開催されました。
COI (Center of Innovation) とは、JSTが平成25年から開始した「革新的イノベーション創出プログラム」のことで、10年後のあるべき姿を描き、バックキャスト型で産学連携の研究開発を行なうことを目標としています。COIの東工大拠点である『以心電心』ハピネス共創社会構築拠点は、さまざまなテクノロジーを応用することで新しいコミュニケーションサービスのかたちを提案するプロジェクトです。
『以心電心』コミュニケーション・カフェwith Creative Flowでは、冒頭にプロジェクトリーダーの秋葉重幸機構長から東工大拠点の概況について説明があり、続けて『以心電心』プロジェクトのメンバーが研究事例の紹介をしました。具体的には、滝嶋康弘氏が存在感通信について、KDDIのSync Dinner(http://connect.kddi.com/sync/dinner/)を紹介し、三宅美博教授がつながり共創空間の事例として共感度測定研究を説明しました。事例紹介を受けて、参加者はグループに分かれ、『以心電心』プロジェクトに対する意見、感想、アイディアについて議論をしました。その後、各グループのファシリテーターが議論をまとめて全体発表しました。最後に、小田俊理研究リーダーの挨拶でイベントは終了しました。
カフェでは、『以心電心』プロジェクトの新しい技術による新しい行為に懐疑的な観点が寄せられた一方、プロジェクトに対する期待及び未来思考的意見も数多く提示されていました。下に各グループの議論を簡潔にまとめます。
グループA:新しいテクノロジーのコミュニケーションへの支援の加減、特にどういうデバイスなら一緒に生きていきたいかについて活発な議論を行った。携帯のかわりに、ピアス形の端末などを提案した。
グループB:新しいテクノロジーに関連する倫理感、リテラシーについての議論が中心となり、また、提示されたテクノロジーを福祉の現場などで活用する提案もあった。
グループC:主にテクノロジーとハピネスを増やすことについて議論をした。また、テクノロジーから支援を受けると同時に、自由にその支援を切りうることの必要性も提示された。
グループD:骨折りをハピネスの一種として提示し、問題解決はイコールハピネスという見方への再認識の必要性を中心に議論を重ねた。
グループE:同じ国の人に対しても異なる扱い方が求められているようなこと、つまり、テクノロジーは人のアイデンティティを細分化して対応することの必要性について議論した。
グループF:コミュニケーションの場で、相手の名前などだけでなく、前に会った時の服や匂いなどを提起することの可能性などについて、幅広く議論した。また、余白のあるコミュニケーションの重要性を提示した。
(文・陳 燕)