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Creative Café Vol.05 サステナブルな未来を思考する ~科学とアートから見る環境と社会:ヨーロッパからの報告 1/3pict

2010.04.06

フランク・シュバルバ・ホッツ
ドイツ緑の党、前欧州議員。現コンサルタント、環境/人権問題スペシャリスト

司会        野原佳代子
ファシリテーター トム・ホープ
           津田広志

特別参加
伊賀健一 東京工業大学学長

アートというレンズを通してサイエンスを見る
20091218_CC05_1.JPG野原:今日のトピックは、「サスティナブルな未来を思考する ~科学とアートから見る環境と社会」です。サイエンス・コミュニケーションを、クリエイティブなアートを通して見ていこうという試みが大きなテーマになります。まず、ご紹介させていただきます、東工大学長の伊賀先生です。
伊賀:まず今日のこのサイエンスカフェという取り組みについて少しお話しさせていただければと思います。こういった少人数でディスカッションしながら、サイエンスやエンジニアについてのトピックを話そうというのが大きな目的です。エネルギーや環境といった一般的な、社会の認知を広げるということを目的としています。しかもクリエイティブなメディアを通してコミュニケーションを活性化させる、つまり「アートというレンズを通してサイエンスを見る」というのが、非常にユニークな取り組みになっています。
アートということについて考えてみますと、私の頭の中にすぐ浮かぶのが、音楽ですね。オーケストラで長年ダブルベースを演奏してきまして、決して上手とは言えないですけれど、セミプロぐらいの量を演奏してきたと自負しております。

サイエンスに関していえば、東工大における環境問題についての取り組み、具体的なものをご紹介させていただきたいと思います。10年前から、炭素のリサイクルとエナジーについてのリサーチセンターというのを設立しました。またGCOEのエナジーセンター、サイエンスについてのエデュケーション・リサーチセンター。また「ツバメ」と呼ばれるスーパーコンピューターWOを持って、大学で一番先にスーパーコンピューターを活用する取り組みをしております。
あとは、アドバンスド・エナジーシステムと呼ばれるようなシステム全体の構築、たとえばこの建物の上が、ソーラーパネルになっていまして、隣の建物には燃料電池もあります。また、そこで得られたエネルギーを使って、車の燃料が補給されていたりします。それから電気なども、非常に環境が優しいシステムが構築されていたりします。
将来的な取り組みですが、インターナショナル、国際的エネルギーアートウィークというのを2011年にやっていきます。ここでも多くの協力、団体の協力をいただくことになっています。

カフェとは何か
20091218_CC05_2.JPG野原:ありがとうございます。このサイエンス・カフェというのは、非常にカジュアルなイベントです。食べながら飲みながら、リラックスして楽しんでいただければと思います。それでは、フランク・シュバルバ・ホッツ氏をご紹介したいと思います。
ホッツ:このサイエンス・カフェというのは、人類史上の中では新しい試みだと言えると思います。サイエンス・カフェというのは、コーヒーを飲まないと実現できないです。ブッダやジーザスというのはコーヒーを飲まなかったので、彼らはこういったものをすることができませんでした。
コーヒーは、皆さんご存知のように、アメリカからやって来ました。当時、コーヒーは、社会的に認められていませんでした。なぜかというと、娘が帰ってこないとか、誰か知らない人とお話しするから非常に危険性があると。お互い見つめ合ってお話しをして、アイデアの交換をすることができる。また、新しいアイデアを立てるための戦略なども考える場だったのです。
ヨーロッパでは、こういったサイエンス・カフェというのはレンズの発明と同じくらい画期的だったわけです。いろんな民族、フランス人、スペイン人であったり、そういった異国の人たちを認め合ったことも、その成果だったんです。それは欧州のアイデンティティっていうのは何かということを考えたことにつながります。
 
日本の方にお願いしたいことがあります。アジアとか、東南アジアの文化っていうものは、どんなものがあるかということを考えていただきたいと思います。私の表面的な経験なんですけれども、皆さんは、ヨーロッパ人よりも個人の独立性がやや少ないと思います。アイデンティティ、そして文化の影響があるだと思います。そしてもう一つ言えることは、皆さまのほうが、限界を容認しやすい。一般的な基準を受け入れやすいように、その限界も受け入れやすくできるように思います。

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